その時両親もまた灘にあったおじいちゃんのお店
「秀宝園」を改装して営業を再開してました
「このままここでやっていって
春日野道は売ろうかと思ってる」
そう言った父はとても寂しそうでした
「俺も帰ってきて店するわ」
父はすぐにうんとは言いませんでした
せっかく得た就職先
この時春日野道のお店は全壊
お店を建て直すには
2重の借入をするということ
多くの決断をして
鳳凰のように
再度聚鳳を復活させよう
「もっかいやってみるか」
そこからまたすべてが動き始めたのです
しかしそのまますぐにお店に入ることを
父は許しませんでした
「ちゃんとした料理屋で修行積んでこい」
こうして私は新長田にある
神戸飯店でお世話になることになりました
全てが順調かのように思いました
でもそんな矢先
灘のお店が火事で全焼
幸いなことに家族は全員無事
とはいえ先のわからぬまま
ひとまず全員
当時結婚してた妹夫婦の家にお世話になることに
「ピンポ〜〜〜ン」
呼び鈴が鳴りました
するとそこには神戸飯店の社長の姿が!
新聞で火事のことを知って
探して訪ねてきてくれたのです
涙がとまりませんでした
そして神戸飯店が所有する仮設住宅に移り住むこと
父も神戸飯店にお世話になること
そうしてまた一縷の光が差し込んできたのです